Armの最新テクノロジーが、自動車業界におけるソフトウェア定義型の未来を変革

September 16, 2021

 

2021915日、英国ケンブリッジ発 ― 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、自動車サプライチェーンにおけるリーダー各社との協業を通じて、最新のソフトウェア・アーキテクチャとオープンソースのリファレンス実装である「Scalable Open Architecture for Embedded Edge(SOAFEE)」、ならびに自動車業界におけるソフトウェア定義型(software-defined)の未来を推進する2種類の新たなリファレンスハードウェア・プラットフォームを提供することを発表しました。

発表の概要:

  • AWS、コンチネンタル、CARIADなど業界リーダー各社のサポートを得て、自動車業界におけるソフトウェア定義型の未来を発展させるために不可欠なリソースをArmが提供
  • 新たなソフトウェア・アーキテクチャとオープンソースのリファレンス実装である「SOAFEE」が誕生、自動車のリアルタイム性と安全性のニーズに対応しながら、クラウドネイティブなアプローチによる優位性を実現
  • 2種類の新たなリファレンスハードウェア・プラットフォームが登場、商用化に向けた準備段階で高性能Armアーキテクチャを採用したチップによる車載ワークロードの検証・試験が可能に

自動車のアーキテクチャをはじめ性能・機能が進化する中、自動車に関わる開発者は昨今、新たな課題に直面しています。その要因は、先進運転支援システム(ADAS)や車載インフォテインメント・システム(IVI)、電動パワートレイン、自動運転の分野において、必要となるコードの複雑化が進んでいることです。こうした一般消費者のニーズの進化に応えるには、演算機能をより集中管理する必要があり、そのためにはソフトウェアがますます不可欠な要素となっています。これに伴い、ソフトウェアの開発・デプロイ・管理方法も変化しており、コスト、時間、複雑性を軽減する手法としてクラウド・インフラストラクチャ業界で最もよく知られるクラウドネイティブな開発は、自動車開発の分野でもかつてないほど適した環境になっています。

一方で、今日の自動車業界におけるソフトウェア定義型へのニーズに迅速かつシームレスに対応するには、標準化されたフレームワークを通じて、大規模環境での動作実績のあるクラウドネイティブな技術を強化しつつ、車載アプリケーションに求められるリアルタイム性と安全機能を確保する必要があります。こうしたフレームワークは、ロボットや産業オートメーションなど、リアルタイムでセーフティクリティカルな他のユースケースにおいても有益です。

Armのオートモーティブ/IoT事業部門 オートモーティブ担当バイスプレジデントである(Chet Babla)は、次のように述べています。「自動車業界が重要な転換期を迎える中、IP設計から自動車の製造に至るまで、サプライチェーンでは再検証と再定義が進んでいます。ソフトウェア定義型の未来に関するビジョンを牽引する存在として、Armとそのエコシステムには業界から大きな期待が寄せられています。Armはサプライチェーンの中で独自のポジションを確立しており、車載アプリケーションの安全性とリアルタイム性のニーズに応えるため、標準規格、ソフトウェア、開発者向けリソース、用途特化型処理のプラットフォームを提供する共同プロジェクトをリードしています」

成功へのロードマップ

SOAFEEは、自動車メーカーやシステム・インテグレーター、半導体、ソフトウェア、クラウドのテクノロジーリーダー各社が協力し、ソフトウェア定義型自動車向けのオープンスタンダードに準拠した最新のアーキテクチャを定義するという一連の取り組みの成果です。さらに、こうしたリーダー企業の分科会(SIG)によって定義されたアーキテクチャの実装であるSOAFEEのリファレンス実装が今後、広範なプロトタイプ作成やワークロード検証、早期開発のための無償のオープンソース・ソフトウェアとして提供されます。互換性を最大限に高めて、機能安全に優れた、より迅速な設計手段を可能にするため、Armは業界をリードする商用ソリューション・プロバイダー各社と協力しています。

Armはこれまでも、標準規格ベースのクラウドネイティブな体験をエッジ側で実現する「Project Cassini」や「SystemReady」で成功を収めており、SOAFEEではこうしたイニシアチブを踏襲しながら、自動車の機能安全とリアルタイム性を備えたコンテナオーケストレーションなど、業界初となるクラウドのコンセプトを実現します。SOAFEEの関連資料とリファレンス実装の第1弾リリースは、こちらからダウンロードできます。

開発期間の短縮が急務

最新の車載アプリケーションの開発タイムラインには、可能な限り迅速かつシームレスであることが求められます。SOAFEEの提供開始により、クラウドベースの開発者は自らの専門知識を活用し、Armテクノロジーをベースとしたモビリティの未来に貢献できます。

AWSのワールドワイド・オートモーティブ事業開発ディレクターであるBill Foy氏は、次のように述べています。「主要なテクノロジーの飛躍的進化が、車載エレクトロニクスとソフトウェアアーキテクチャの要件を変革し、業界をソフトウェア中心の未来へと駆り立てています。AWSでは、サービス指向アーキテクチャを備えたソフトウェア定義型自動車を提供するための複雑な課題の解決を支援するために、Armをはじめとする主要な業界プレーヤーとともにイノベーションに取り組んでいます。Armとのコラボレーションと、ArmベースのAWS Graviton2インスタンスによって大幅なコスト削減を実現するとともに、クラウド側および自動車のエッジ側において同じアーキテクチャ上でアプリケーションを実行できるようになることで、開発者のワークフローを簡素化できます」

ADLink社との協業により、Armは新しいSystemReady互換の開発プラットフォームで制約のない性能を提供し、市場投入期間の短縮をサポートします。Arm NeoverseベースのAmpere Altraコアが搭載されたこのプラットフォームにより、コックピット、ADAS、パワートレイン、自動運転などの用途において、SOAFEEのリファレンス・ソフトウェアスタックを使用したArmベースのシリコン上でのワークロードの検証と開発が可能となります。開発プラットフォームは、開発用ワークステーションおよび堅牢な車載用製品で構成されています。いずれもこちらで事前注文を受け付けており、一般提供開始は2021年第4四半期を予定しています。

  • AVA Developer Platformは、研究所での開発を目的とした高性能・高拡張性の演算システムであり、自動運転ワークロードの実行に対応しています。開発者は本製品を通じ、高性能CPUを補完するものとして、アクセラレーター・ハードウェアを活用できます。
  • 車載プロトタイピングおよびテスト向けの高性能なAVA-AP1は、CPUパフォーマンス向上のため80コアを備え、I/O(入出力)機能の向上とともに、実際のセンサーを用いた社内環境での実行を可能にするセーフティ・プロセッサーを搭載しています。

業界リーダー各社のサポートを得て独自のポジションを確立し、ソフトウェア定義型の革命をリード

フォルクスワーゲンのグループ企業であるCARIADのシニア・バイスプレジデント兼インテリジェントコックピット&ボディ部門責任者であるRiclef Schmidt-Clausen氏は、次のように述べています。「ソフトウェア定義型自動車は予想よりもはるかに早く登場する見込みで、これに必要なインフラストラクチャもまさに現在開発中ですが、業界はいくつかのマクロ的な課題に直面しています。 これには、幅広いハードウェアプラットフォーム間でのソフトウェアの移植性の実現、クラウドネイティブなソフトウェアインフラストラクチャの構築が含まれ、クラウドで開発されたアプリケーションをヘテロジニアスなエッジプラットフォームにシームレスに展開できるようにする必要があります。 この新しい進化のパイオニアとしてCARIADとArmは緊密に協力して主要な技術的課題を解決し、ソフトウェア定義型の未来に向けた強力な基盤を築いていきます」

ソフトウェア定義型機能は、多くの業界でますます大きなトレンドとなっています。SOAFEEと新たな開発ボードの統合型ソリューションは今後、医療・製造・物流などの分野におけるロボットなど他の用途にも採用される見通しです。自動車業界では、ソフトウェア定義型機能により、一般消費者のニーズや期待に応える安全性と新たな車内体験や機能が実現すると同時に、非常に重要な要素として、自動車メーカー、ティア1メーカー、ソフトウェアベンダー、クラウドサービス・プロバイダーにとっては、新たな収益源や顧客との関係構築の機会が得られます。AWS、ADLink、Ampere、CARIADからのサポートに加え、今回のイニシアチブはApex.AI、コンチネンタル、Green Hills Software、Linaro、Marvell、MIH Consortium、Red Hat、SUSE、ウーブン・プラネット、Zing Roboticsなど、サプライチェーンのリーダー企業から幅広い支持を得ています。

Armは現在、ハードウェアとソフトウェアの交差する独自のポジションを通じ、業界からの信頼を獲得しています。安全性とリアルタイム性を重視したクラウドネイティブな枠組みを自動車の開発分野にもたらし、ソフトウェア定義型自動車を実現ために、Armとそのエコシステムは各種リソースを提供することで、業界の要望に応えていきます。

パートナー各社からの賛同コメント

パートナー各社からのコメントは、リンク先(英文)をご参照ください。

Armについて

Armのテクノロジーは、コンピューティングとデータによる革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れたプロセッサ設計とソフトウェアプラットフォームは、2,000億個以上のチップを通じて高度なコンピューティングを実現し、センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、あらゆる製品をセキュアにサポートしています。Armは1,000社以上のパートナーとともに、チップからクラウドまで、AI駆動のコネクテッド社会の中核となるコンピューティングのあらゆる分野において、設計、セキュリティ、管理を支えるテクノロジーの最先端を担っています。

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