Arm Neoverseプラットフォーム、NVIDIA NVLink Fusionの統合により、 AIデータセンターでの採用を加速

November 18, 2025

発表の概要:

  • ArmとNVIDIAのパートナーシップは拡大を続けており、AI時代における新たなレベルの共同設計とコラボレーションを推進
  • エコシステムパートナーは、完全なコヒーレンシーと高帯域幅を備えたNVIDIA NVLink Fusionのエコシステムに、Armベースの効率的な演算リソースを統合可能に
  • AIデータセンター分野でNeoverse需要が増加の一途をたどる中、顧客企業は、ワークロードのアクセラレーションでArmプラットフォームを採用する選択肢が拡充

AIによるデータセンター・コンピューティングは、一世代に一度のアーキテクチャの変革をもたらしています。AIモデルとワークロードが飛躍的に拡大する中、消費電力はこうした成長の阻害要因となっており、高エネルギー効率のコンピューティングこそが、次のAIイノベーションを切り拓く鍵となります。この新時代において、成功を測る尺度はもはや純粋なパフォーマンスではなく、「ワットあたりインテリジェンス」、すなわち、消費エネルギーの単位に対し、いかに有益なAIコンピューティングを提供できるかが重要です。

こうした変革の中心的存在となるのが、電力効率と高性能スケーリングを念頭に設計された演算プラットフォームのArm Neoverseです。現在、NeoverseベースのCPUコアは累計10億を超えており、2025年には、世界の主要ハイパースケーラーにおける市場シェアが50%に到達する見通しです。AWS、Google、Microsoft、Oracle、Metaなどの大手プロバイダーはArm Neoverseを基盤として採用しており、「Stargate」プロジェクトなどの次世代AIデータセンター拠点は、Armを演算プラットフォームの中核としています。こうした事実は、Armが大規模なAIの駆動で中心的な役割を果たしていることを明確に物語っています。

このような需要の急増に対応すべく、ArmはNVIDIA NVLink FusionでNeoverseプラットフォームを拡張することで、NVIDIA Grace HopperおよびGrace Blackwellプラットフォームが業界に先駆けて実現したものと同等のパフォーマンス、帯域幅、効率性をエコシステム全体にもたらします。

ArmのCEOであるレネ・ハース(Rene Haas)は、次のように述べています。「AIインフラストラクチャの新たな基準を確立すべく、ArmとNVIDIAは協力しています。NVIDIA NVLink FusionでArm Neoverseプラットフォームを拡張することで、Armを基盤とするすべてのパートナーにGrace Blackwellクラスのパフォーマンスを提供します。これは、当社のデータセンター分野での圧倒的な勢いを反映したマイルストーンです」

NVIDIAの創業者兼CEOであるJensen Huang氏は、次のように述べています。「NVLink Fusionは、AI時代の接続の基盤として、すべてのCPU、GPU、アクセラレーターを、単一の統合型ラックスケール・アーキテクチャに結びつけます。Armとともに、このビジョンをNeoverse全体へと拡大することで、世界中のイノベーターが次世代の用途特化型AIインフラストラクチャを設計できるよう支援していきます」

ArmとNVIDIAは2年前、NVIDIA Grace HopperプラットフォームとNVIDIA NVLinkによって業界初を達成しており、コヒーレントなCPUとGPUの統合を実現することで、ハイパフォーマンス・コンピューティングを再定義しました。このペースでイノベーションを継続するためには、エコシステムにおける選択肢と柔軟性が必要です。そして、NVLink Fusionは、パートナーがArmベースの演算リソースを自社が選択するアクセラレーターに、コヒーレントかつ高帯域幅のインターフェースを介して接続できるようにします。

Grace Blackwellに対する旺盛な勢いと持続的な顧客需要は、今やNeoverseエコシステム全体でNVLink Fusion拡大の原動力となっています。これによってパートナーは、エネルギー効率に優れ、差別化されたAIシステムをArm上で構築し、AI時代のパフォーマンスと拡張性の需要に応えることが可能となります。

AIシステムのパフォーマンスの足かせとなるメモリと帯域幅のボトルネックを解消するため、エコシステムパートナーの間ではNVLink Fusionの採用が進んでいます。なお、CPUとアクセラレーター間のコヒーレントかつ高帯域幅な接続の重要なプロトコル定義を提供する技術として、ArmはAMBA CHI C2C(Coherent Hub Interface Chip-to-Chip)を開発しており、NVIDIA NVLink Fusionは、同技術との連動を念頭に構築されました。

これらを基礎として、AMBA CHI C2Cの最新版プロトコルをNeoverseプラットフォームに採用することで、ArmはNVIDIA NVLink FusionとのC2C互換を確保しています。これにより、NeoverseベースのSoCは、ArmベースCPUとパートナーの選択したアクセラレーターの間でシームレスなデータ転送が可能です。この結果、次世代のAIシステムを構築するエコシステムパートナーは、統合の迅速化、市場投入期間の短縮、高帯域幅の高速演算、柔軟性の向上といったメリットが得られます。

ArmとNVIDIAのパートナーシップは拡大を続けており、「ワットあたりインテリジェンス」を実現する新たなレベルの共同設計とコラボレーションを推進し、AI時代のアーキテクチャを形成しています。

Armについて

Armは、業界最高の性能と電力効率に優れたコンピューティング・プラットフォームであり、コネクテッドな世界における人口の100%に貢献する比類のないスケールを備えています。Armは、演算に対する飽くなき需要に応えるため、世界をリードするテクノロジー企業に先進的なソリューションを提供し、各社がAIによるかつてない体験や能力を解き放つことができるよう支援しています。世界最大のコンピューティング・エコシステムと2,200万人のソフトウェア開発者とともに、私たちはArm上で築くAIの未来を形作っていきます。

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