AWSがArm Neoverseでクラウド価格/性能の向上とCPUのシリコンイノベーションを推進
ArmとAWSは提携し、Amazonクラウドで最適な価格性能とCPUのシリコンイノベーションを実現しています。AWS Graviton2プロセッサーは、Arm Neoverse N1コアを利用してその計算処理能力を発揮しています。AWS Gravitonを搭載したAWS EC2 m6g、c6g、r6g、t4g、およびC6gnの各インスタンスは、最新世代のx86ベースのインスタンスと比較して、価格性能が最大40%向上しました。NVMeベースの「d」インスタントと.metalインスタンスは、M、C、およびRファミリでご利用いただけます。
Snap、Twitter、Netflix、Nielsen、Redbox、Hotelbeds、Honeycomb.io、ValnetなどのAWSの顧客は、Armテクノロジーを使用しているAWS Gravitonベースのインスタンスがもたらす性能の向上とコスト削減を実際に体験しています。
Don MacAskill氏(SmugMug & Flickr)、Liz Fong-Jones氏(Honeycomb.io)、Dave Brown氏(Amazon)が、Arm NeoverseベースのAWS Gravitonプロセッサーでワークロードを実行した実体験を語っています。
メリット
AWS GravitonベースのEC2インスタンスは、Arm Neoverse N1コアの性能を活かして、幅広いワークロードの最新世代のx86ベースのインスタンスと比較して、価格性能が最大40%向上しました。
64ビットArmアーキテクチャおよびArm Neoverse N1コアをベースにしたAWS Gravitonプロセッサーは、Amazon Linux 2、Red Hat、SUSE、Ubuntuに加えて、AWSや独立系ソフトウェアベンダーが提供する多くの一般的なクラウドネイティブおよび仮想化されたアプリケーションとサービスを含め、広く普及しているLinuxオペレーティングシステムによってサポートされています。
AWS Graviton2ベースのインスタンスは、従来のアーキテクチャと比較してワットあたり3.45倍の高性能*を備え、計算密度の向上、コスト削減、二酸化炭素排出量の削減を実現します。
*SPECint2017の見積もりAWS Gravitonを搭載したEC2インスタンス
高性能Arm Neoverse N1コアをベースにしたAWS Gravitonプロセッサーは、4つのAWS ECSインスタンスファミリーを強化します。
M6g (汎用)
アプリケーションサーバー、中型データストア、マイクロサービス、およびクラスターコンピューティングなどの汎用ワークロード用に構築されました。
T4g (バースト可能汎用)
(無料トライアル)大規模なマイクロサービス、中小規模のデータベース、仮想デスクトップ、ビジネスに不可欠なアプリケーションなど、さまざまなバースト可能汎用ワークロードに適した設計です。
C6g (計算量が多い)
高性能のコンピューティング、ビデオエンコーディング、ゲーミング、CPUベースの機械学習推論の加速化など、計算量の多いアプリケーション向けに構築されています。
C6gn (高度なネットワーキングを使用したC6)
100 GbpsネットワーキングとElastic Fabric Adapter (EFA)のサポートによってコンピューティングが最適化されたC6gnインスタンス(近日公開予定)。
R6g (メモリ集中型)
アプリケーションサーバー、中型データストア、マイクロサービス、およびクラスターコンピューティングなどの汎用ワークロード用に構築されました。
AWS Gravitonベースのインスタンスの適用例
Arm Neoverse N1をベースとした、AWS Gravitonに関する一般的な開発者ユースケースをいくつかご紹介します。
継続的な統合と展開
AWSクラウドはクラウドネイティブのArmアプリケーションの開発に適した干渉のない環境を提供します
データベースアプリケーション
ますます種類が豊富になっているデータベースオプションがAWS GravitonベースのEC2インスタンスで利用可能
Webおよびコンテンツのサービング
AWS Gravitonベースのインスタンスを使用して、コストを削減し、WebおよびWordPressのホスティングを加速化
高性能コンピューティング
無制限の拡張性を備えたAWSクラウドは、要求の厳しいHPCアプリケーションの実行に最適です。
電子設計の自動化
(Armを含む) EDAユーザーは、AWSクラウドへのバーストがオンプレミス処理への完全な補完だと考える
ArmとAWS: 性能向上を目指すために連携
それぞれに、AWSで設計された7nmシリコンを備えた64ビットのカスタマイズコアがあります。すべてのインスタンスには、最大64 vCPU、25Gbpsの強化ネットワーキングと、18Gbps EBS帯域幅があります。しかし最も重要なことは、最新世代のx86プロセッサーと比べて価格性能比が40%向上したということです。考えてみると、これは信じられないことなのです。
Andy Jassy、Amazon Web ServicesのCEO
Amazonにとっては、クライアントおよび組み込みスペースでのArmのユビキタス化や、低コストで広範な開発者へのサポート体制が、ArmアーキテクチャをベースにAWS Gravitonを構築することに決めた主な理由でした。AWS環境とNeoverse N1ベースのプロセッサーについて詳しくご説明します。
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