Arm AGI CPUを発表 エージェンティックAI時代のクラウドを支えるシリコン基盤

March 25, 2026

次世代AIインフラに向けた、ラックレベルでの高い性能・スケーラビリティと効率を実現

英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、次世代のAIインフラを支えるために設計された、Arm Neoverseプラットフォームを基盤とする新たなプロダクショングレードのシリコン「Arm AGI CPU」を発表しました。

Armは35年以上にわたる歴史で初となる、自社設計の量産半導体製品を提供します。これにより、Arm Neoverseプラットフォームは、従来のIPおよびArm コンピュート・サブシステム(CSS)の提供に加え、カスタムシリコン開発からプラットフォームレベルでの統合、Arm設計プロセッサの導入に至るまで、お客様の選択肢を大幅に拡充します。本発表は、急速に進化するAIインフラと、大規模かつ迅速に展開可能なプロダクショングレードのArmプラットフォームに対するエコシステムの需要の高まりを反映したものです。

エージェンティックAIインフラの台頭

AIシステムは現在、グローバル規模で常時稼働するようになっています。従来、コンピューティングにおけるボトルネックは人間であり、人がシステムと対話する速度が、処理全体のスピードを制約していました。しかしエージェンティックAIの時代を迎え、ソフトウェアエージェントがタスクを調整し、複数のモデルと連携しながらリアルタイムで意思決定を行うことで、この制約は解消されつつあります。

AIシステムが常時稼働し、ワークロードが高度化する中で、CPUは現代インフラにおけるパフォーマンスを左右する中核的な要素となっています。分散されたAIシステムを大規模かつ効率的に稼働させる役割を担い、現在のAIデータセンターでは、アクセラレータの制御、メモリおよびストレージの管理、ワークロードのスケジューリング、システム間のデータ転送など、数千にもおよぶ分散されたタスクを統括しています。さらにエージェンティックAIの時代においては、多数のエージェント間の処理の分散と連携も担います。

こうした変化に伴い、CPUには新たな要件が求められており、プロセッサの進化が不可欠となっています。
Arm Neoverseは、すでにAWS Graviton、Google Axion、Microsoft Azure Cobalt、NVIDIA Veraなど、主要なハイパースケールおよびAIプラットフォームの基盤として採用されています。AIインフラがグローバルに拡大する中で、エコシステムパートナー各社からは、Armに対してさらに踏み込んだ役割を果たすことへの期待が寄せられています。Arm AGI CPUは、まさにその声に応えるために開発されました。

Arm AGI CPU「ラックスケールでのエージェンティック効率を実現」

エージェンティックAIのワークロードには、大規模環境における持続的な高性能が求められます。Arm AGI CPUは、現代のデータセンターにおける電力および冷却制約の範囲内で、数千のコアを並列に稼働させながら、タスク単位で高いパフォーマンスを持続的に発揮できるよう設計されています。

動作周波数からメモリ、I/Oアーキテクチャに至るまで、Arm AGI CPUのあらゆる要素が、高密度に集約されたラック環境において、大規模並列かつ高性能なエージェンティックワークロードを支えるよう設計されています。



Armのリファレンスサーバー構成は、1OU・2ノード設計を採用しており、各ブレードに専用のメモリおよびI/Oを備えた2つのチップを搭載し、合計272コアを実現しています。これらのブレードは、標準的な空冷36kWラックにフル実装することを前提として設計されており、30ブレードで合計8,160コアを提供します。さらに、Supermicroとの提携により、液冷200kW構成において336基のArm AGI CPUを搭載し、45,000コア以上を収容可能な設計も実現しています。

本構成において、Arm AGI CPUは、最新のx86システムと比較して、ラックあたり2倍以上の性能を実現します*。これは、Armアーキテクチャの本質的な優位性と、コンピュートに対するシステムリソースの最適な配分によって達成されています。

  • クラス最高水準のメモリ帯域幅により、ラックあたりでより多くの有効なスレッド実行が可能です。対照的に、従来のx86 CPUは持続的な高負荷下においてコア間の競合が発生し、性能が低下する傾向があります。
  • 高性能かつ高効率なシングルスレッド性能を持つArm Neoverse V3コアは、従来アーキテクチャを凌駕する性能を発揮し、1スレッドあたりの処理能力を飛躍的に向上させます。
  • 「より多くの有効スレッド」と、「スレッドあたりの高い処理能力」の組み合わせにより、ラック単位で大幅な性能向上を実現します。 

AIエコシステムにおける初期導入の広がり

Arm AGI CPUはすでに、エージェンティックAIインフラの拡張をリードするパートナー企業との間で、商用展開に向けた強い動きを見せています。その導入領域は、アクセラレータの管理、エージェントのオーケストレーション、各種サービスやアプリケーション、ツールの高密度化によるスケールアウト対応に加え、AIデータセンターを支えるネットワーキングやデータプレーン処理の強化にも及びます。

Armの主要なパートナーであり顧客のMetaは、同社の各種アプリケーションを支えるギガワット規模のインフラ最適化に向け、独自のMTIAアクセラレータと連携する形でArm AGI CPUの共同開発を推進しています。そのほかのローンチパートナーとして、Cerebras、Cloudflare、F5、OpenAI、Positron、Rebellions、SAP、SK Telecomが参画しており、クラウド、ネットワーキング、エンタープライズ領域におけるAIサービスの高度化に向けてArm AGI CPUの導入を進めています。現在、ASRock Rack、Lenovo、Supermicroより商用システムの提供が開始されています。

さらなる普及促進に向けて、ArmはOpen Compute Project(OCP)のDC-MHS標準フォームファクタに準拠した「Arm AGI CPU 1OUデュアルノード・リファレンスサーバー」を発表します。本リファレンス設計および関連ファームウェアに加え、システムアーキテクチャ仕様、デバッグフレームワーク、診断および検証ツールなど、すべてのArmベースシステムに適用可能な技術資産の提供も予定しています。詳細は今後開催されるOCP EMEAサミットにて発表予定です。

Armインフラの新たな章

Arm AGI CPUの発表は、Armのデータセンター領域における新たな章の始まりであり、コンピューティング分野におけるイノベーションを牽引し続ける姿勢を示すものです。AIが産業構造を変革する中で、Armはハイパースケールクラウド事業者からAIスタートアップに至るまで、エコシステム全体の進化を支え続けていきます。

Arm AGI CPUは、Armの新たなデータセンター向け量産半導体製品ラインの第一弾であり、すでに注文が可能です。今後も、性能、スケール、効率の各面で業界最高水準を目指した製品の展開を予定しています。これらはArm Neoverse CSSの製品ロードマップと並行して進められ、すべてのArmデータセンター顧客が共通のプラットフォームアーキテクチャおよびソフトウェア互換性のもとで進化できるよう設計されています。

この新たなフェーズにおいても、Armのミッションは不変です。それは、あらゆる産業のイノベーションを支えるコンピューティング基盤を提供することです。現在、ハイパースケール、クラウド、半導体、メモリ、ネットワーキング、ソフトウェア、システム設計、製造といった多岐にわたる分野で、50社以上のリーディングカンパニーが、Armのシリコン展開を支持しています。Arm AGI CPUを通じて、当社はAIネイティブなデータセンターのアーキテクチャを定義するだけでなく、それを実際に構築していきます。

Arm AGI CPU 導入パートナーからのメッセージ

「Cerebrasは、超高速かつ大規模な推論処理に特化したAIインフラを構築しています。推論がAIの主要なワークロードとなる現代において、コンポーザブル(構成可能)で高性能なシステムの重要性はかつてなく高まっています。このようなシステムには、専用設計のAIアクセラレータに加え、データ転送、ネットワーキング、そして大規模な連携・調整処理を司る、効率的でスケーラブルなCPUが不可欠です。ArmのコンピュートプラットフォームがAGIクラスのインフラへと拡張されたことは、エコシステム全体、そしてグローバル規模でAIを展開するお客様にとって、極めて意義深い一歩です」
– Cerebras、CEO、Andrew Feldman氏


「より良いインターネットの構築を支援するという当社のミッションを継続するためには、Cloudflareのグローバルネットワーク全体で効率的にスケールできるインフラが不可欠です。Arm AGI CPUは、次世代のワークロードのために設計された、高性能かつ電力効率に優れたコンピューティング能力を提供してくれます」
– Cloudflare、最高戦略責任者、Stephanie Cohen氏


「グローバル規模でAI体験を提供するためには、AIワークロードを加速し、Metaのプラットフォーム全体のパフォーマンスを最適化するために専用設計された、堅牢かつ適応性の高いカスタムシリコンのポートフォリオが不可欠です。当社はArmと共同でArm AGI CPUを開発し、データセンターの性能密度を大幅に向上させ、進化し続ける当社のAIシステムの複数世代にわたるロードマップをサポートする、高効率なコンピュートプラットフォームを展開します」
– Meta、インフラストラクチャ責任者、Santosh Janardhan氏


「OpenAIは、極めて大規模なAIシステムを運用しています。毎日数億人もの人々がChatGPTを利用し、多くの企業が当社のAPI上でサービスを構築し、開発者はCodexのようなツールに信頼を寄せています。当社が今後さらなるスケールを目指す上で、Arm AGI CPUはインフラにおいて重要な役割を担うことになるでしょう。大規模なAIワークロードを調整するオーケストレーション層を強化し、システム全体の効率、性能、そして帯域幅を向上させてくれると期待しています」
– OpenAI、産業コンピューティング責任者、Sachin Katti氏


「Positronは、汎用的なメモリを使用して画期的なトークン生成効率を実現する、推論処理に特化したアクセラレータの開発に注力しています。Armは、業界で最も電力効率の高いコンピュートプラットフォームを一貫して提供しており、その点においてArm AGI CPUは次世代AIインフラの基盤として当然の選択です。Positronの推論アクセラレーション技術と、電力効率に優れたArm AGI CPUプラットフォームを組み合わせることで、データセンター事業者が最先端のAIモデルを、ワットあたり・ドルあたりでより高いパフォーマンスを以て大規模に展開できる、強力な機会が生まれると確信しています」
– Positron AI、CEO、Mitesh Agrawal氏


「高性能なAIシステムは、汎用コンピュートとアクセラレータアーキテクチャとの緊密な連携を必要とします。Arm AGI CPUとRebellionsのNPUを新しい高密度サーバー構成で組み合わせることにより、当社は大規模なAI推論ワークロードに最適化された、スケーラブルでエネルギー効率の高いプラットフォームを提供します」
– Rebellions、最高事業責任者、Marshall Choy氏


「SAPがArmベースのAWS Graviton上でSAP HANAの展開に成功したことは、エンタープライズワークロードにおけるArmエコシステムの成熟度と性能を明確に示しています。Arm AGI CPUは、その機会をさらに拡張するものであり、次世代のAIを活用したビジネスソリューションを支えるために設計された、スケーラブルで効率的なコンピューティング能力を提供してくれます」
- SAP、シニアバイスプレジデント、HANA & Persistency責任者、Stefan Bäuerle氏


「SK Telecomは、Arm AGI CPUとRebellionsのAIアクセラレータチップを含む、大規模なフルスタックAI推論データセンターインフラへと事業を拡大しています。当社独自の基盤モデル『A.X』と、推論に最適化されたAIサーバーを組み合わせることで、当社のAIDC(AIデータセンター)の競争力を高めながら、世界中にサービスを提供する準備が整いました」
- SK Telecom、CTO 兼 AI CIC責任者、Suk-geun (SG) Chung氏

 

Armについて

Armは、業界最高の性能と電力効率に優れたコンピューティング・プラットフォームであり、コネクテッドな世界における人口の100%に貢献する比類のないスケールを備えています。Armは、演算に対する飽くなき需要に応えるため、世界をリードするテクノロジー企業に先進的なソリューションを提供し、各社がAIによるかつてない体験や能力を解き放つことができるよう支援しています。世界最大のコンピューティング・エコシステムと2,200万人のソフトウェア開発者とともに、私たちはArm上で築くAIの未来を形作っていきます。

全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社や関連会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれの権利者の所有物です。© 1995-2026 Arm Group.

Forward-looking statements

This blog post contains forward-looking statements regarding Arm's product roadmap, future performance, planned contributions, and partner deployments. These statements are based on current expectations and are subject to risks and uncertainties that could cause actual results to differ materially. For a discussion of factors that could affect Arm's results, please refer to Arm's filings with the U.S. Securities and Exchange Commission.
Performance claims are based on Arm internal estimates comparing a fully populated rack of Arm AGI CPU-based servers against comparable x86-based server configurations using industry-standard workloads. Actual results may vary based on system configuration, workload, and other factors.
All product and company names are trademarks or registered trademarks of their respective holders.

* 推定に基づく

 

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Armは、業界最高の性能と電力効率に優れたコンピューティング・プラットフォームであり、コネクテッドな世界における人口の100%に貢献する比類のないスケールを備えています。Armは、演算に対する飽くなき需要に応えるため、世界をリードするテクノロジー企業に先進的なソリューションを提供し、各社がAIによるかつてない体験や能力を解き放つことができるよう支援しています。世界最大のコンピューティング・エコシステムと2,200万人のソフトウェア開発者とともに、私たちはArm上で築くAIの未来を形作っていきます。

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