Armと業界のリーダー企業・団体が、スキル不足の課題解消に向けた「Semiconductor Education Alliance」を発足

July 27, 2023

 

英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、Arduino、Cadence、コーネル大学、Semiconductor Research Corporation、STMicroelectronics、Synopsys、台湾半導体研究中心、全インド技術教育審議会、サウサンプトン大学をはじめとするパートナーの賛同のもと、新たなグローバル・イニシアチブである「Semiconductor Education Alliance」を発表しました。産学官の主要なステークホルダーが集結するSemiconductor Education Allianceは、人材の発掘と既存人材のスキル向上の両面における増大する課題に取り組みます。

半導体業界の世界的・戦略的な重要性は、かつてないほど広く理解されており、こうした認識の高まりを受け、設計・製造・デプロイという半導体分野のあらゆる場面で数百億ドル規模の投資が発生しています。Armのセントラルエンジニアリング担当エグゼクティブ・バイスプレジデントであるゲイリー・キャンベル(Gary Campbell)は、次のように述べています。「成長とイノベーションの機会が存在するのは明白ですが、適切なスキルを有する人材の有無が、進歩を阻む大きな障壁になる可能性があります。この極めて重要な時期に、これらの課題が業界の成長の妨げとならないよう、アライアンスでは半導体のスキル・パイプラインに貢献できる方々の参加を広く呼びかけています」

半導体業界と学術界が協力し、新たな教育の道を築く

Armと業界全体による、これまでの複数のパートナーシップや取り組みを統合することで、アライアンスでは新たなパートナーシップの構築を目指しています。具体的な成果としては、各地域の業界ニーズに合わせたコンピテンシー・フレームワークや、将来的な人材プールの構築・支援に役立つ教育やトレーニング、各種リソース、サービスなどが含まれます。

今回のアライアンスは、学校や大学、さらにその先までを対象とする経験豊富なArmの教育プロフェッショナルのチームによって策定されたものです。これはArmの既存の教育モデルを進化させるものであり、その中でArmは重要な調整役を担います。柔軟かつ連携の取れたオープンなモデルを採用しており、コミュニティのメンバーは、さまざまなフォーラムを通じてリソース、機能、専門知識を共有します。その結果、教師や研究者、エンジニアおよびその志願者、学習者には、重要なリソースを容易に活用して、研究助成金の共同入札など、各種プロジェクトで協力する新たな機会が提供されます。現時点ですでに、以下を含む多数のプロジェクトが進行中です。

  • ArmとEDAパートナーとの協力による、最先端のEDAツールと半導体設計資産(IP)を活用した、新たなVLSI設計の教育リソースへの取り組み
  • Armと産学のパートナーにより、コンピューター・エンジニアリングと情報学の新しい遠隔ラーニング・ソリューションを開発中
  • Armとパートナーによる最新の半導体製造技術を利用可能な、アカデミア向けのグローバルなSoC設計プラットフォーム

次世代の半導体人材育成には多様性が不可欠

より多様な人材を業界に輩出するため、アライアンスでは、技術系、職業系、独学系など、半導体キャリアへのさまざまな経路の拡大・支援に取り組んでいます。これを実現するためのアライアンスの中核的なアプローチとして、さまざまな形態での柔軟な参加方法が用意されており、これまでの学歴や経験に関わりなく、幅広く多様な人材が業界に参加できる体制が整っています。アライアンスのメンバーは、インターンシップ、実習制度、コーオプ実習や、大規模公開オンライン講座(MOOC: Massive Open Online Course)プラットフォームによる遠隔学習トラックを通じ、学習者が実践的な経験を積むための新たな機会を 創出します。これらのプログラムは、経済的な状況や地理的な場所を問わず、学習者に無償提供されます。

エコシステムのための強固なスキル・パイプラインが、Armによるコンピューティングの未来を構築

業界では、高品質の強力な教育プログラムを通じて最先端のコンテンツ、各種ツール、サービスを提供する企業が多数存在しており、Armもまた、世界中の数十万人もの学生を対象とした既存の大学向けプログラムを提供しています。一方、スキルのギャップに関して業界は今まさに転換期を迎えており、Armでは業界全体がより一体となった取り組みが必要であると考えています。

Armはこれまで常に、スキルと教育に対する投資の重要性を認識してきました。その大規模なコンピューティング基盤とグローバルなエコシステムを通じて、Armでは業界の進化に応じて必要となるスキルに関して独自の幅広い視点を持っています。そして、現在の発展を脅かすスキルのギャップに取り組むため、Semiconductor Education Allianceでは、共通の目標、共有リソース、ベストプラクティスのコミュニティを柱とした、業界の連携強化を目指します。業界全体が一丸となり、Armベースのコンピューティングの未来を構築する人材のパイプラインを育成し続けるため、Armはアライアンスの原動力となることを目指します。

アライアンスのローンチメンバーには、Arduino、アングリア・ラスキン大学、Cadence、コーネル大学、インド工科大学(IIT)ジョードプル校、STMicroelectronics、Synopsys、台湾半導体研究中心、全インド技術教育審議会、Semiconductor Research Corporation、Semiconductor Industry Alliance、サウサンプトン大学、UK Electronics Skills Foundation、バレンシア工科大学が含まれます。

パートナーからの賛同コメントはこちら(英文)をご参照ください。

詳細については、こちらのブログ記事(英文)をご参照ください。

Armについて

Armのテクノロジーは、未来のコンピューティングを築く存在です。そのエネルギー効率に優れたプロセッサ設計とソフトウェアプラットフォームは、2,800億個以上のチップを通じて高度なコンピューティングを実現し、センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、あらゆる製品をセキュアにサポートしています。1,000社以上のパートナーとともに、チップからクラウドまで、あらゆる場所でAIを活用できるようにし、またサイバーセキュリティの分野では、デジタル世界における信頼の基盤を提供しています。Armは、これからの未来を築く根幹を支えていきます。

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